HUAWEI P40 Pro+
HUAWEIのスマートフォン、P40 Pro+を買った。
最近買ったiPhone 12 Proで撮った写真があまりに微妙だったのがきっかけ。
iPhone 12 Proで撮った写真は、変な補正がかかりすぎていて違和感がすごかった。設定をどれだけいじっても、変なHDR風の写真になってしまい、いわゆる「スマホで撮ったバキバキの写真!」という感じで、描写に情緒や味といったものが皆無だった。
実は以前、同じくHUAWEIのP30 Proを使っていた。
P30 Proも結構補正をかけまくってくるものの、たまに「一眼で撮ったのかな」と思えるような良い写真が撮れた。しかし、持っていたP30 Proはドコモ版で、ドコモの独自カスタマイズ(絵文字の一部だけドコモの絵文字になっているところとか、変な機能制限とか)が嫌すぎてiPhoneに戻した経緯がある。なので、使うならキャリアのカスタマイズがされていないものにしたい。
P40シリーズの発売は2020年6月。今なら時期的に後継機種のP50 Proにすべきかとも思ったけど、発表されただけで発売日が未定なので、待ちきれずに1年遅れでP40 Pro+を買った、というわけ。ちなみにAliExpressで買った。
P40 ProではなくPro+にしたのは、搭載されている望遠カメラのスペックの違いが理由。P40 Proには5倍の望遠カメラが搭載されていて、この倍率はP30 Proと同じだが、5倍は日常生活では使いづらかった。
P40 Pro+には3倍と10倍の望遠カメラが搭載されていて、10倍はともかく3倍の方は使い勝手が良さそうなので、こちらにした。カメラ以外のスペックはほとんど同じなので、望遠カメラがどうでもよければ、安いしカラバリも多いので、P40 Proの方がいいと思う。
そういう僕も望遠カメラはほぼ使いませんが…。
ちなみに、より新しいMate 40 Pro+もある。CPUや液晶などは明らかにこちらの方が優れているけど、実はカメラのスペックはP40 Pro+の方が高い。本体のデザインもP40 Pro+の方が好きだったし、そもそもMate 40 Pro+は値段が高すぎて買うのはやめた。でも、いつかは使ってみたい。
外観
色はセラミックホワイトにした。デザイン・質感ともにかなり良くて、所有欲が満たされる。上の写真はケースをつけてしまっているものの、ケースなしだと背面のセラミックの手触りがめちゃくちゃ良い。
そしてなにより、背面のカメラ部分はかなり大きくて目立つものの綺麗にレイアウトされているので、iPhone 12 Proと違って気持ち悪くない(大事)。
ただ、カメラ部分が大きいため、本体を持っていると人差し指がカメラ部分に触れてしまうことが多いので、精神衛生的にあまり良くない。Xiaomi Mi 11 Ultraのように横長にカメラが配置されていると、指が当たらなくて良さそうではある。
重量は結構あるものの(226g)、液晶・背面ともにエッジが丸められているので持ちやすい。サイズのわりに横幅が72.6mmと狭めなのも、持ちやすさにつながっているのかもしれない。
最初から液晶保護フィルムが貼ってあり、透明のケースも付属していて、アクセサリを別途買う必要がないところもいい。まぁ、P40 Pro+のケースって買いたくても日本だとほぼ売ってないけど。AliExpressには結構売っているので、付属ケースが黄ばんできたら買いたい。
また、当然?充電端子はUSB-C。iPhoneのためだけにLightning端子を用意しなくてもいい。iPad ProもMacBook ProもUSB-Cなので、スマートフォンも同じケーブルで充電できて便利。
写真
犬の写真ばっかり撮っているので、犬多めですが。
適度にコントラストと彩度が高くて、いわゆるヌケの良さを感じる。iPhone 12 Proとは違って明暗差が激しいところもそこまで派手に補正しないので、あまり違和感はない。画素数の高さなのか、犬の毛などの繊細さがすごい。少しシャープネスが強すぎると感じることはあるけど。
P30 Proの補正は結構やりすぎと感じることが多かったが、P40 Pro+ではそこそこ自然になっている。とはいえ、P30 Proに引き続いて搭載されているRYYBセンサのせいか、白熱電球の下などではホワイトバランスがおかしくなることもある。
また、アパーチャという、いわゆる背景ぼかしモードはかなりいい。iPhoneでは背景をぼかしたいときはポートレートモードを使うが、P40 Pro+では、ポートレートモードの他にこのアパーチャモードも搭載されている。
iPhoneのポートレートモードは使い勝手が悪く、被写体が一定距離以内にないと背景をぼかすことができなかったり、被写体の認識が遅かったりするが、P40 Pro+は被写体の距離にほぼ関係なく背景をぼかせるのでかなり使いやすい。
ToFカメラのおかげか、アパーチャモード時の被写体の輪郭の認識精度も悪くない。とはいえ、iPhone 12 Proは画像認識だけで背景ぼかしをおこなっている(LiDARスキャナは暗所でのAFにしか使われない)のに対して、精度は高いんだけど、そこまで圧倒的に優れているわけでもない。実際、犬の毛みたいな細かいところの処理は結構微妙だったりする。
超広角カメラは、画素数も高いし明るいので、広角カメラと同じくらいシャープで高精細な写真が撮れる。
3倍カメラは、5倍カメラよりは使い勝手はいいけど、やっぱりちょっと望遠すぎて使いにくい。うまく使いこなせれば、スマートフォンではなかなか撮れないような写真が撮れそうではある。広角カメラに比べると描写は甘く、少し不満は残る。
10倍カメラはなかなか使いどころが難しい。OISが搭載されているとはいえ、この焦点距離になるとどうしても手ブレがしやすく、手持ちだとなかなか難しい。描写も甘々で微妙だったりはするけど、上の写真のように背景との距離を稼ぐことができれば、望遠レンズならではの圧縮効果と背景ボケを作ることができる。
使い勝手
1年前に発売されたスマートフォンだが、動作が遅いと感じることはない。僕はゲームもしないので、SNSや写真撮影が快適にできればそれで十分ではある。
P40 Pro+には、iPhone 12 Proとは違って顔認証に加えて画面内指紋認証が搭載されているので、マスクをしていて顔認証ができない場合でも指紋認証が使えるのはめちゃくちゃ便利。認証速度や精度も不満に思ったことはない。
顔認証といえば、P30 Proで微妙だったのは、顔認証が2Dというところ。前面カメラに赤外線センサーが搭載されていないので、単純にカメラで顔認識をして認証するという形である。これの何が微妙かというと、暗いところではカメラに顔が映らないため、液晶の輝度を上げて無理やり顔を写すようになっているところ。例えば寝る前にスマホを触ろうとして画面をつけると、画面の輝度が上がり、めちゃくちゃ眩しくてつらかった。
最近の、ノッチが小さめだったりパンチホールだったりするAndroidスマートフォンは、だいたいこの方式(2D顔認証)だと思われる。iPhone X以降の機種はノッチが大きくてデザイン的に馬鹿にされがちだが、そのノッチに赤外線カメラが搭載されているので、暗所でも画面を明るくせずに顔認証ができるという大きなメリットがある。
P40 Pro+の前面カメラには、iPhoneと同じく赤外線カメラが搭載されている(3D顔認証である)ので、部屋が真っ暗でも問題なく顔認証がされるのでとても良い。HUAWEI以外で3D顔認証が搭載されているAndroidスマートフォンってあまりないんじゃないだろうか。HUAWEIだと、Mate30 Pro、P40 Pro(+)、Mate40 Pro(+)に3D顔認証が搭載されていると思う。他にはPixel 4とか。
ソフトウェアでいうと、HUAWEIのスマートフォンには、EMUIという、AndroidをカスタマイズしたOSが搭載されている。Android自体もそうだけど、特にEMUIはiOSにデザインや操作感が似ているので、iPhoneから乗り換えてもあまり違和感なく使うことができる。
購入当初はEMUI 10がインストールされていたが、後日EMUI 11にアップデートしてみた。EMUI 10よりも細部の使い心地がブラッシュアップされていて、いい感じ。
UIの挙動の滑らかさや気持ちよさでいうと、やはりiOSに一日の長がある。iPhone X以降のホームボタンのない端末で実践されているFluid Interfaceはやっぱりすごい。しかし、EMUI (Android)には、iOSにはないカスタマイズ性や、GoogleとOSレベルで連携できるという良さがある。iOSもAndroidも、どちらもいいところと悪いところがある。
GMS
そう、Googleといえば、P40 Pro+にはGoogle PlayなどといったGMS (Google Mobile Service)が搭載されていない。
HUAWEI AppGalleryやAPKPureなどのアプリストアを使えば一般的なアプリはダウンロードして使うことができるが、AppGallery以外からダウンロードしたアプリはプッシュ通知が来ないので大変不便。
GMS非搭載ファーウェイスマホを使いやすくする方法!通知やマップも動作 – すまほん!!
ここにも書かれているように、GMSなしでも結構快適に使うことはできると思う。しかし個人的にはGoogle Photosが使えないのは痛い。他にも、Google開発者サービスが必須のアプリ(Facebookとか)は使うことができない。
検索すると、非GMS搭載端末にGMSをインストールする方法は複数出てくる。しかし、どの方法も不具合が多い。
- プッシュ通知が届かない
- GPSが使えない
- Google開発者サービスが必須のアプリも使えない
- 数時間おきにエラーが出るので、都度機内モードにして再起動する必要がある
- エミュレータ上でアプリを動かすので起動は遅いし挙動や通知も違和感がある
みたいな…。
このようになかなか快適な状態でGMSを導入する方法がない現状だったが、最近はこれよりもマシにGMSを導入できる方法がある。
その方法を使えば、Google Playも普通に使えるし、プッシュ通知も問題なく受け取れる。GPSも使えるのでGoogle Mapsも使えるし、FacebookやメルカリなどのGoogle開発者サービスが必須のアプリも普通に使うことができる。数時間おきにエラーが出ることもなく、機内モードにせず普通に再起動してもなんのエラーも起きない。
Google Payだけは使うことができなかった。ただ、Felicaが搭載されていないため、Google Payを使う意味はあまりないので不満に思ったことはない。
その方法をざっくり紹介します。
P40 Pro+にGMSをインストールする方法
以下の方法は、P40 Pro+だけでなく、他のP40シリーズ、Mate40シリーズ、Mate30シリーズでも有効。
1. EMUIのバージョンを確認する
まず、EMUIのバージョンを10.1.0.150以下にする必要がある。もし10.1.0.150より上の場合、HiSuiteとHiSuite Proxyというソフトを使ってファームウェアをダウングレードする必要がある。
Complete Guide · ProfessorJTJ/HISuite-Proxy Wiki
ここに方法が書かれているので、参考にしてダウングレードする。
ちなみにWindowsでしか使えないので、Macユーザーの人はBootCampするか、仮想環境でWindowsを動かして作業する必要がある。
2. Googlefierを使ってGMSをインストールする
この動画を見ながらGMSをインストールする。
なかなか手順がややこしいけど、失敗してもやり直せるので、頑張りましょう。
3. Device IDをインストール
2.が終わった段階で、エラーは出まくるものの、Google Playは使えるようになっていると思う。
正常なGMSの動作には、Google Service FrameworkのID(GSF ID)がちゃんと発行される必要がある。その確認のために、Device IDというアプリをインストールしておく。
4. Google Account Managerをアンインストール
Google Account Managerがあると、これ以降の作業をしても、プッシュ通知やGPSが正常に届かない場合がある。なのでこの段階でアンインストールしておく。
今のところ、アンインストールによる弊害はなさそう。
5. カスタムされたGoogle Play ServicesとGoogle Service Frameworkをインストールする
[Tutorial] [gms rule 3.0 update] Permanent Push Notification HUAWEI Sideload GMS – YouTube
この動画を見ながら、Google Play ServicesとGoogle Service Frameworkをインストールする。
…というだけだとよく分からないと思うので、サクッと解説する。
- 動画投稿者のIlham PradantoにDonation (寄付)をして、ファイルを入手する
- 動画の概要にFacebookへのリンクがあるので、Messengerで連絡を取る(英語で)
- 送金先を教えてもらえるので、任意の金額(自分が払っても良いと思える額)を送金する
- そうすると、ファイルのリンクを送ってもらえます
- Google Play Servicesをアンインストール
- gms ruleをインストールする
- 「(1).gms rule 2.3.apk」ではなく、別途ダウンロードした「gms rule 3.0.apk」をインストールすることに注意(動画の概要にダウンロードリンクがある)
- Google Service Frameworkをアンインストール
- 「(2).gsf 10.apk」をインストール
- 本体を再起動
- GSF IDを取得する
- Google Playが正常に読み込まれるまで、起動したりタスクキルしたり、を繰り返す
- Device IDアプリのGoogle Service Framework欄にIDが表示されていることを確認する
- Google Service Frameworkをアンインストール
- 「(4).gsf fix.apk」をインストール
- 3つ目のファイル「(3).gsf4-aligned.apk」はインストールを飛ばす
- 本体を再起動
- GSF IDを取得する
- 上と同じく、取得できるまでがんばる
ここまでできれば、ちゃんと通知やGPSが動作するはず。
- Google Mapsが起動できて、位置情報を取得できるか
- プッシュ通知が受け取れるか
- Facebookやメルカリを起動できるか
- 機内モードにせず、オンラインのまま本体を再起動しても、エラーが出ないか
あたりを確認しておこう。
6. Google PlayとGoogle Service Frameworkの設定を変更する
以下はおまじないのような設定。
- Google Playを起動して、アプリの自動更新を無効にする
- Google PlayアプリとGoogleサービスフレームワーク(gsf fix)のアプリ起動を手動管理にして、自動起動とバックグラウンドで実行を無効にする
以上で完了!
P40 Pro+をEMUI 11にアップデートする方法
GMSをインストールした状態でEMUI 10から11にアップデートしても問題ない。
もしアップデートが降ってこない場合は、上で書いたHiSuiteとHiSuite Proxyを使って手動で無理やりアップデートするといい。
Complete Guide · ProfessorJTJ/HISuite-Proxy Wiki
EMUI 10 → EMUI 11のようなメジャーアップデートをする場合は、Base PKG以外にCust PKGとPreload PKGの欄も指定する必要があるので注意。
ちなみに、さらにHarmonyOSにアップデートしても、GMSは問題なく動作するらしい。ダウングレードできるか不安なので、僕はまだ試していない。
そんな感じで、P40 Pro+には今のところは快適に使えていて満足している。