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Leica M9-P Black Paint

Leica M9-P Black Paint

2017/9/14

どこかに書こうと思ってからだいぶ時間が経ってしまったけど、1年半ほど前にLeica M9-Pのブラックペイントを購入した。

M9-Pは2011年に発売したカメラで、中身は2009年に発売したM9と全く同じ。フィルムカメラのLeica M4を購入してから(そこまで使用頻度は高くないものの)楽しく使っていた。でも日に日に増すデジタルライカ欲が抑えきれなくなり、気合いで購入することにした。そしてどうせ買うならAPS-HのM8ではなくフルサイズのM9以降がいいなと考えていた時に、(当時としては)未だかつてないくらいに安いM9-Pの中古を見つけたので、M9をすっ飛ばしてM9-Pが手元に来た。

M型ライカのデザインは本当に大好きで、このデザインと質感のボディを手にすることができるなら、まぁある程度の値段は仕方ないか……と思えてしまう。デジカメなのにデジカメらしくないボタンの少なさと機能の少なさ。写真を撮る以外には何もできない潔さが、使っていて心地いい。フルサイズのコダック製CCDセンサー(しかもローパスレス)はとても綺麗な写りをするし、低感度なら最新のカメラにも勝るとも劣らない写真が撮れると思う。

とはいえ、いくらなんでも不便すぎでしょ、と思うことは多々ある。オートフォーカスはないし、フォーカスポイントは中央の一点のみだし、連写は秒間2コマだし、実用ISO感度はせいぜい400までだし、室内のホワイトバランスはよく分からないことになるし、接写はできないし(寄れて70cm)……など。
そういう便利さが欲しい場合は、SONYのα6000を持ち出すことにしている。でもやっぱり撮った写真を見返すと、α6000とM9-Pで同じレンズを付けていたとしてもM9-Pで撮った写真の方がすごく魅力的だと思えるし、不思議。値段が高かったから良いと思い込もうとしている、ということではないと信じたい……。
一応AEは付いているのでシャッタースピードはオートにすることが可能。とはいえ絞りとピントは自分で合わせてシャッターを切る必要があるので、そうしていい写真が撮れた場合の嬉しさが、α6000で撮った写真との違いなのかも知れない。

購入した個体は、当時購入した値段からは考えられないほど状態が良かった。M9-Pはトップカバーとボトムプレートが真鍮で作られていて、使い込むにつれ塗装が剥げて、地金が見えてくるようになっている。塗装すぐ剥げすぎでしょ!という人もいるかも知れないけど、僕はこの感じが好きで、使うにつれて自分だけのカメラになっていく感覚が心地いい。先日ふとボディを眺めたら、以前よりも少し真鍮の色が増えていた気がして、またこのカメラに愛着がわいてしまった。

レンズは、M4を買った時に同時に購入したCarl ZeissのPlanar T* 2/50 ZMをよくつけている。この写真ではVoigtländerのCOLOR SKOPAR 35mm F2.5 P IIを装着しているけど。せっかくLeicaのボディを買ったのだからレンズもLeicaを……、ということで1年ほど前にSUMMARIT-M F2.5/35mmを購入したものの、あまり使っていない。

この一世代前のSUMMARITは、絞り値は控え目の代わりにとても小型軽量で、写りも開放からとても綺麗で、不満はあまりない。ただ現代的なそつのない写りをするので、それが僕が好きなテイストとは少し違っていてあまり使わなくなってしまった。あと、やっぱり35mmは苦手で、50mmとか75mmくらいの、少し遠目の距離感が一番しっくりくる、というのも理由の一つ。
SUMMARITは売ってしまって(COLOR SKOPARはもう売ってしまった)、50mmのSUMMICRONを購入したいなと今は考えている。問題はどの世代にするか、なんだけど、悩ましい。

今年はLeica M10が発売され、作例やレビューを見るとめちゃくちゃ欲しくなってしまったけど、もし買うとしてもM10-P的なアップデートを待とうと思う。軍艦に刻印があり、赤バッジがないM9-Pの見た目が最高に気に入っているので、M10にもそういうバージョンが出たら買ってしまうかも知れない。
それまではこのM9-Pを大切に使おうと思う。