Nomu30 Build Log
Nomu30という自作キーボードのキットを組み立てたので、そのビルドログ。
Nomu30はいわゆる30%キーボードと呼ばれるキーボードで、31キーしかない。先日組み立てたCorne Cherryが42キー、HHKB USが60キーなので、Nomu30がいかにコンパクトかが分かるのではないだろうか。
Nomu30 という自作キーボードを設計した — recompile.net
このエントリーを読んでから欲しくてたまらなくなり、先日遊舎工房で委託販売が開始されたときに運良くゲットすることができた。
ということでビルドログを書いていく。
Nomu30の組み立て
やっていきます。
リードベンダーで、ダイオードの足を折り曲げる。
PCBにはんだ付け。
リセットスイッチのはんだ付け。
ISOエンターキー用のスタビライザーを取り付ける。
ErgoDash miniを組み立てたときにスタビライザーの音と打鍵感が気に入らなかったので、今回はキースイッチだけじゃなくてスタビライザーもLubeしてみた。
5分でできるスタビライザーのLube / How to Lube Stabilizer in about five minutes. – Speaker Deck
このスライドを参考に、Krytox GPL 205 GRADE 0でLubeした。スタビライザーとPCBの間にクッションテープを挟むのもやってみた。
結果、めちゃくちゃ打鍵感がよくなり、スタビライザー特有のカチャカチャ音もかなり軽減された。
トッププレートを取り付ける。
次はPCBにキースイッチを取り付けてはんだ付け……なんだけど、Corne Cherryのようにキースイッチをホットスワップ(交換可能)にするために、Mill-Maxのソケットを使ってみた。
キースイッチをホットスワップできて、ProMicroも交換できるNyquistを組み立てた話 – 人生の暇潰し
このエントリーが参考になる。
ソケットはどうやら2種類あるらしく、参考エントリーで使われているのは「0305-2-15-80-47-27-10-0」という型番のものだけど、「7305-0-15-15-47-27-10-0」という製品もあるようだ。どっちにするか悩んだけど、なんとなく7305の方にしてみた。
ソケットはキースイッチひとつにつき2つ必要。Nomu30は31キーなので、62個以上用意すればいい。
ソケットはかなり小さい。
キースイッチの足にソケットをはめる。
PCBにキースイッチをはめこみ、
裏からソケットの周囲をはんだ付けする。ソケットの穴にはんだを流し込んでしまわないように注意する。
表にして、キースイッチを引っこ抜いて、ソケットがPCBに残ったままになっていればOK。これをキースイッチの数だけやる。
ちなみに、もう写真に写っているけど、キースイッチはNovelKeys Cream Switchにしてみた。
NovelKeys Cream スイッチ (10個入り) | 遊舎工房
NovelKeys Creamにした理由は、Nomu30のホワイトのPCBと(色の)相性が良さそうだと思ったから。
右端の2つのキースイッチだけGateron Silent Red。これはわざとではなくて、まず最初にNomu30は30キーだと思ってNovelKeys Creamを30個しか買わなかったことと、そのうちの一つを破損させてしまったから。
すごく画竜点睛を欠いているけど、今はどこを探してもNovelKeys Creamは売り切れているので仕方がない。そのうち再入荷するかも知れないし、そのときに買い足そうと思う。
キースイッチ ベストプラクティス(2019年6月版) – recompile keys
上記を参考に、ハウジングとステムはKrytox GPL 205 GRADE 0、スプリングはKrytox GPL 105でLubeした。こちらもスタビライザーと同じく、めちゃくちゃ打鍵感がよくなって満足している。
写真を忘れたけど、Pro Microを取り付ける。いつのもごとくコンスルー(スプリングピンヘッダ)にしたので、キースイッチと同じくホットスワップが可能。
キーキャップをつける。キーキャップは、UK-KeycapsでDCS Classic 1980’s TKL Blank Keyset (ISO)を買った。
レトロな見た目と質感のキーキャップで、実際1988年に製造されたものとのこと。プロファイル(形状)はDCSで、今まで購入していたDSAプロファイルのキーキャップとは違い、HHKBのように列によって形状が違う。
DCSのキーキャップをしばらく使っていると、DSAに比べてかなりタイピングがしやすいと感じる。DSAはどの列も同じ高さで、それが見た目の可愛らしさに繋がっているけど、キーボードを触るだけでは今どの列に指がいるのかが分かりにくい。あと、DCSはDSAより天面の面積が広く、指のおさまりがいい。
完成!
PCB・キースイッチ・キーキャップの色がそれぞれマッチしていて、とても可愛らしいキーボードになったと思う。しかも、キースイッチとPro Microはホットスワップが可能。満足できる出来になってよかった。
30% Keyboard
Nomu30を使う前は「30%キーボードなんてあまりに実用的じゃない」と思っていたけど、意外にいける。
(微妙に違うけど)アルファベットの配列は一般的なキーボードと同じようにできるので、日本語の文章を打つのは問題ない。数字、記号、修飾キーなどについては、やはりQMKのレイヤー機能やMod-Tapを活用するしかないが、これも慣れれば意外にいける気がしている。
Corne Cherryに全然慣れない頃は、レイヤー切り替えキーを押して数字や記号を入力する、というのがもどかしくて仕方がなかった。HHKBならひとつのキーを押すだけでいいのに。でも、慣れてくると、指の移動が少ないCorneの方が記号も数字も打ちやすいと感じるようになった。
Nomu30でも多分同じで、慣れれば指の移動が少ない分、普通のキーボードより速くタイピングできるようになると思っている。
ちなみにキーマップはGitHubにある。
QMKの機能を活用して、いろいろなキーに、複数の機能を持たせている。
- Z / Option
- C / Left Cmd / Eisu
- V / Lower
- B / Raise
- M / Right Cmd / Kana
- Esc / Shift
- Enter / Fn
- Tab / Ctrl
という感じ。Lowerレイヤーで数字・Fキー、Raiseレイヤーで記号、Fnレイヤーで矢印と音量コントロール。
普段使うキーはすべて網羅できたので、あとは慣れるだけだ。
見た目が満足できるキーボードができたはいいけど、そのキーボードから伸びるUSBケーブルがダサいという問題が残っている。おしゃれなUSBケーブルが欲しくなってきた。