WebやUIデザインではコンテンツの重要性が以前よりも高まっている。何を今更……というような話ではあるけど。

ここでは「文章、写真」といったものをコンテンツとして話しますが、僕の体感では、昔よりも今の方が遥かにコンテンツのクオリティが上がっていると思う。Twitterのタイムラインに流れてくるようなメディアの記事も以前はもっと適当だったと思うんだけど、最近は読むたびにお金がかかっているなぁという印象を受ける。
以前は写真や文章が適当なものでも、ページを装飾して綺麗に見せれば多くの人がそれを見てくれると思っていた(僕のやっていた案件が悪いという可能性はありますが)。それもデザインの役割のひとつだと思っていたけど、最近のコンテンツのクオリティを見るからに、もうそういった、ある意味ごまかしの戦略ではユーザーはページを最後まで読んではくれなさそうだ。

では、コンテンツのクオリティが上がるにつれてデザインの重要性が下がったのかというと、そうではない。いくら素晴らしい文章と写真があっても、適当に配置しただけではそのコンテンツの良さを伝えきれない。適切なフォントの種類、適切なマージン、適切なページ幅、適切な見出しのデザインでコンテンツを見やすくしてあげる必要がある。時間をかけ、背景にテクスチャを貼り、Photoshopのレイヤースタイルをフル活用して飾り罫や枠をあしらい、コピーをバナーのような画像で見せるなどといったことはめっきり減ったけど、同じくらいの時間をかけて、コンテンツを綺麗に見せるにはどうすれば良いかを考えていく必要がある。

そういった意味では、コンテンツを見せるためのデザインは、以前よりも「容れ物」としての重要性が増したと思う。美しい写真を保存しておくためのフォトアルバムに、綺麗な文章が書かれた紙を保管しておく箱あるいは封筒に、果たしてゴテゴテした装飾が必要なのか?ということを考えるときと似ている思考が必要になっている。装飾は悪ではないけど、良いコンテンツを一番よく見せるためには、派手なデザインがいいのか、シンプルなデザインがいいのか。

どちらが先かは分からないけど、良いコンテンツをより良く伝えるためにデザインがシンプルになっていくことと、最近はシンプルなデザインが流行していることはとても良いことだと僕は感じている。良いコンテンツというのは手間とお金をかけなくてはできないもので、それはクリエイティブという職種に対して以前よりも良い評価が世間からなされていると思えるから。

世の中にもっと良いコンテンツが増えて欲しいと思うし、仕事としてデザインをしている以上は、デザイナーはそのコンテンツを世に広めるための手助けをすることが本分なのではないかと思っている。