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Polaris Build Log

Polaris Build Log

2022/4/2

ai03 Design StudioPolarisのビルドログ。2020年3月に組み立てた、初めてのカスタムキーボードである。

自作キーボードの文脈で、カスタムキーボードというものがある。自作キーボードはどちらかというと電子工作的というか、DIY色の強いものあるのに対して、カスタムキーボードは高品質なアルミ削り出しのケースで、マウント方法やプレートが凝ったものだったりすることが多い。真鍮製のウェイトが付属していたりもする。
まぁアクリルプレートを重ねたカスタムキーボードもあったりするので一概には言えないが、なんとなく「ハイエンドなキーボードの組み立てキット」というようなイメージ。

カスタムキーボードって何? どこで買えるの? 自作キーボードとの関係は? 調べてみました! – recompile.net

そんなカスタムキーボードの中では比較的廉価なPolarisのGroup Buyが開始されたのが2019年8月。400ドルとか500ドルとかするのが当たり前なカスタムキーボードだが、Polarisはなんと265ドルスタート。HHKBに毛が生えたくらいの値段でアルミ削り出しのハイエンドキーボードが買えるとあって、ぜひ使ってみたい、ということでGBに参加していた。

ということでPolarisのビルドログ。


ケースとウェイト。ケースカラーはE-Yellowにしてみた。オレンジが強めのイエローという感じで、可愛い。

プレートの材質は真鍮を選択。ガスケットマウント用のフォームを貼り付けたところ。

ケースにもフォームを貼り付ける。

キースイッチはZealのZealio v2 62g。静音タクタイルスイッチである。

キースイッチ ベストプラクティス – recompile keys

毎度お世話になりまくっているこの記事を参考に、スプリングはKrytox GPL 105、ハウジングとステムはTribosys 3204でLubeした。(本当はTribosys 3203が良かったが、組み立て当時は在庫がなくて買えなかった)

スタビライザーをPCBに取り付ける。無駄にキースイッチと同じメーカーで統一しようと思い、ZealのTransparent Gold Plated Screw-in Stabilizers V2にした。Krytox GPL 205 Grade 0でLubeした。

Polarisは打鍵感を追求すべくPCBが通常よりも薄いものになっているので、スタビライザーがうまく取り付けられない。そのためのパーツ(スタビライザーサイズにカットされたPCBの切れ端)も同梱されていて、細かいところまで考えられているなぁと感心した。

プレートにLubeしたキースイッチをはめる。

プレートを裏側から見たところ。プレートとPCBの間にフォームを挟む。

上からPCBを載せて、はんだ付け。

裏返したケースに、プレート&PCBをはめる。

さらに、PCBとケース底面の間にフォームを挟む。

真鍮ウェイトをネジ留め。

キーキャップは、E-YellowのPolarisに合わせようと思って買っておいた、RAMA WORKSPBT HEAVY INDUSTRY SEQ2

取り付けて完成!


最初に書いたようにPolarisを組み立てたのは2020年3月で、それから丸2年は日常的に使っている。

真鍮のウェイトのおかげもあって本体がかなり重く、また作りもしっかりしているので、打鍵したときの安定感というか、塊感がとても心地よい。それでいて、真鍮プレート + ガスケットマウントにより比較的柔らかい打鍵感なので、長時間タイピングしていても指が疲れにくいところもいい。キースイッチとスタビライザーもLubeしているので滑らかに動く。とにかく全体的にめちゃくちゃ満足している。

本体の質感や色合いも良く、キーキャップともよく似合っていて嬉しい。

ちょっとミスったな〜というところは、Lubeの際にちょっとグリスを塗りすぎた感じがあって、特にスペースバーのスタビライザーの動きが重くなってしまっている。あと、いくつかのキースイッチもLubeをミスったせいか、1年ほどつかっていたらチャタリングが起きたり、反応しなくなってしまった。
後者についてはキースイッチを換えることで解決したけど、いつか機会があれば、一度本体を分解して、全てのキースイッチとスタビライザーを正しくLubeしたものに交換したいとは思っている。

ということでPolarisのビルドログだった。

ちなみに、このキーボードのおかげで自作キーボード欲がかなり満たされてしまった。最近もちょくちょくキーボードを組んだりしているけど、自分でPCBやケースを設計しても、どうせPolaris以上のものは作れないしな……と思ってしまう。もちろんまだまだ上があるとは分かりつつ、「End-Game」の一端を感じさせてくれるキーボードである。