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MacBook Pro (15-inch, 2017)でAMD Radeon RX Vega 56をeGPUとして使う

2019/3/10

時間があきましたが、最終回。
Mac miniでNVIDIA GTX 1080をeGPUとしてある程度快適に使っていたが、MacをMacBook Proに買い換えたらあまりに実用に耐えなかった。
ということでNVIDIA eGPUは諦めて、大人しくAppleが公式にサポートしているAMDのグラフィックカードをeGPUとして使うことにした。

AMD Radeon RX Vega 56

選んだグラフィックカードはRadeon RX Vega 56。SAPPHIREのものを買った。

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Vega 56はGTX 1070と同じくらいの性能なのに、GTX 1080より値段が高いという悲しいGPUである。でもAMDじゃないとダメなので仕方がない…。ちなみにVega 56の入手後にGTX 1080は売りに出したが、ちょうど仮想通貨マイニングブームが下火になったあたりだったので、めちゃくちゃ相場が下がっていて悲しかった。

どうせ値段が高いならVega 64でもいいかな、とも考えたが、Vega 64はあまりに消費電力が高いのでやめた。
各製品のTDPは、

  • GTX 1080: 180W
  • GTX 1080 Ti: 250W
  • Vega 56: 210W
  • Vega 64: 295W

となっていて、Vega 64はGTX 1080並の性能なのにGTX 1080 Ti以上の消費電力になってる。Vega 56の200Wくらいならまだしも、300W弱というのは…という感じで諦めた。

Mantiz Venusに取り付け

取り付けは特に変わったところはない。GTXと同じように取り付けて終わり。

短い間だったけどご苦労様でした。

MacBookでAMD eGPUを使えるようにする

Thunderbolt 3に対応したMacなら、何もする必要はなく、eGPUとMacをThunderbolt 3ケーブルで繋げればそれで終わり。最高ですね。

Thunderbolt 2以前のMacなら、PurgeWranglerというスクリプトを実行する必要がある。

ベンチマーク

またベンチマークを取ってみた。

比較対象

  • MacBook Pro 15-inch 2017 (GPU: Radeon Pro 560 + Intel HD Graphics 630)
  • MacBook Pro 15-inch 2017 + eGPU (GPU: NVIDIA GeForce GTX 1080)
  • MacBook Pro 15-inch 2017 + eGPU (GPU: AMD Rx Vega 56)

LuxMark

「Neumann TLM-102 SE」で計測。

  • MacBook Pro 15-inch 2017: 4244
  • MacBook Pro 15-inch 2017 + NVIDIA GTX 1080: 12277
  • MacBook Pro 15-inch 2017 + AMD Rx Vega 56: 18444

Heaven Benchmark

「Preset: Extreme」で計測。

  • MacBook Pro 15-inch 2017: 462
  • MacBook Pro 15-inch 2017 + NVIDIA GTX 1080: 2483
  • MacBook Pro 15-inch 2017 + AMD Rx Vega 56: 1564

というように、当たり前だけどMacBook Pro単体とeGPUとでは雲泥の差がある。

LuxMarkのときのスコアはVega 56がGTX 1080を大幅に上回っている。というのもLuxMarkはOpenCLのベンチマークソフトだから、OpenCL ReadyなAMDの方がスコアが出たと思われる。

Mac + AMD eGPUの素晴らしいところ

ここが本題で、Appleが公式対応を謳っているAMDのeGPUをMacで使うといかに快適かということを書きたい。

接続がかんたん

MacBookをシャットダウンした状態でeGPUを接続すると、OSが起動し、そのうちeGPUが認識されて外部モニタに画面が表示される。スリープ中にeGPUを接続すると、Macが起動してeGPUが認識される。もちろんクラムシェルモードでも問題なし。普通の外部モニタと同じような感覚で接続できて最高。

切断もかんたん

メニューバーからeGPUの接続解除を実行すると、Macがクラッシュすることもなく、普通にeGPUが切断できる。
これが本当に快適で、さっとMacBook Proを持ち運べるようになった。まさに革命的である。いや、普通のことなんだけど。

ちなみに、eGPUの接続解除はOSのログアウト→ログインと同じような挙動で、起動中のアプリケーションは一度終了し、再起動するっぽい。なので、作業途中のファイルは保存ダイアログが出たりするが、そこはそういうものだと割り切ることが必要。

接続/切断が当たり前にできる、Macがクラッシュしない、という、ごく当たり前のことが当たり前にできるだけで、AMD eGPUには価値がある。

Mac + AMD eGPUの微妙なところ

CUDAが使えない

これに尽きる。CUDAを使ったアプリケーション、レンダラなどは使うことができないか、使えても本来のパフォーマンスを発揮することができない。ゲームにしても、NVIDIAのGPUに最適化されたものが多く、AMD GPUだとあまり性能がでなかったりする。

性能がいいGPUを使いたい理由って、たいていは3DCGのレンダリングを高速化したいとか、ゲームをもっと高解像度でプレイしたいとか、そういう理由だと思う。そうなると、正直WindowsマシンとNVIDIA eGPUにするのが一番いいのでは…という感じはする。

ただ、僕みたいにMacでしか動かないアプリケーションを使いたいとか、Macの方が使うのに慣れていて、普段の作業をより高速化したいとか、そういうユーザーにはオススメできると思う。


AppleはmacOS MojaveでOpenGLの利用を非推奨にして、Metalの普及を推し進めている。おかげでMojaveに対応したNVIDIAのドライバは未だにリリースされていないし、リリースされない限りはMojaveでNVIDIA eGPUを使うことは難しいだろう。
なので、今後はMetal対応のアプリケーションも増えてくるかも知れないし、そうなったらAMD eGPUももう少しは意味があるかも知れない。

まぁ、現状でもPhotoshopやLightroomなどはビデオカードがAMDでもeGPUの恩恵を受けられるし、C4DだとR19以降はProrenderというAMD GPU向けのレンダラも搭載されているし、なんだかんだでeGPUはあってよかったと思う。

ということで全3回に渡った僕のeGPU事情はこれで終わりである。当分は、MacBook ProとRX Vega 56でやっていきます。